Special Preview先行紹介
優しく静かな品位を備えた鶏龍山の名品です。刷毛目と素地が醸し出す艶やかな肌合いは上質で、自由闊達な筆遣いによる人参葉文の目が覚めるような鉄絵に心を奪われます。
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- 商品コード
- 250221-3
- 時代
- 朝鮮時代
15~16世紀
- 重量
- 1,746g
- 胴径
- 16.1cm
- 口径
- 7.0cm
- 高さ
- 29.2cm
- 底径
- 8.0cm
- 次第
- 桐箱
- 来歴
- 壺中居
- 状態
- 口縁に削げが2箇所あります
美しい釉調に鮮烈な鉄絵が見事です。頸部や胴上部に発掘時のヤリ傷が見られますが、良好な状態を保っています。座りにややガタつきがありますが、許容範囲かと思います。
鉄分の多い胎土に白泥を刷毛塗りし、
鉄絵で文様を描いた鉄絵粉青は「鶏龍山」と称されます。
窯が位置する韓国忠清南道公州郡反浦面鶴峰里の山麓名に由来します。
頸部や裾部には掻き落としによる劃線が廻り、
器形を引き締めています。
「絵刷毛目」とも呼ばれ、
白泥の上に人参葉文が堂々と描かれています。
水を含むと全面に見事な染みが滲み出て、
景色や雰囲気が一変します。
頸部や胴上部に発掘時のヤリ傷が見られます。
高台も丁寧に造られており、
底部は亀裂を防ぐ為、
箆で叩き締めた跡が確認できます。
壺中居さんのお取り扱いとなる由緒ある来歴です。
李朝
李氏朝鮮とは1392年に李成桂が朝鮮半島に建国した朝鮮最後の統一王朝です。
国号は李成桂が明国王に認知を求め、1393年に採択した経緯があります。
「李朝」の呼称は日本において定着し、長く用いられています。
高麗時代の仏教が衰え、抑仏崇儒政策が推し進められると、
儒教の精神は人々の生活の規範として深く浸透し、
清廉潔白を崇め、醇朴で倹素な気風を養う事が理念とされました。
儒教の普及と共に祭祀も宮廷から一般庶民に至るまで盛大に行われ、
「白」は神聖と簡素を旨とする清浄無垢な色として祭器においても白磁が珍重されました。
白磁を母体に染付、鉄砂、辰砂等の装飾が生まれていきますが、
節用を重んじた体制下では最後まで色絵が焼成される事はありませんでした。
日清戦争(1894~1895)後の1897年に国号を「大韓」と改称しました。
日露戦争(1904~1905)後は日本の保護国となり、1910年の韓国併合で滅亡しました。
李朝陶磁への深い理解と愛情を持ち、社会的に広く認識させる力を発揮したのは、
浅川伯教と巧の兄弟であり、その兄弟の手引きによって心を傾けていったのは柳宗悦でした。
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鶏龍山
鶏龍山とは韓国忠清南道広州市にある名峰で山麓には多くの古窯跡が散在しています。
15~16世紀を中心とし、自由闊達な筆法で鉄絵文様を描いた粉青沙器は「鶏龍山」と呼ばれ、
世界的に高い声価を得ています。
三島や刷毛目等の粉青沙器、白磁も焼成されており、
器形は鉢、碗、皿、瓶、壺等の多岐に亘ります。