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TENPYODO

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形状

形状


玉壷春

玉壷春とは口部が開いた頸が細い胴の張った形状の瓶です。
語源は明らかではありませんが、
「玉壷」とは中国で酒瓶を意味し、
『水滸伝』には「玉壷春」という名の酒が確認される事から、
用途に由来した命名とも考えられています。
定窯、耀州窯、汝窯、磁州窯、龍泉窯、景徳鎮窯等で焼成されました。


ケンディ

ケンディとは丸く膨らんだ胴から長い頸が直立し、
乳房状の注口を伴った形状の水瓶です。
元来は東南アジアで用いられた飲水器で、
語源はサンスクリット語のKundica(水瓶)に由来します。
漢字では「軍持」、「君持」、「捃稚迦」等と表記され、
「乳首徳利」とも呼ばれます。
熱帯気候の東南アジアにおいてケンディは水を冷たく保つ事ができ、
乳房状に造られた注口から勢いよく水が出る構造になっている為、
回し飲みの習慣がある東南アジアにおいて直接口を触れる事なく、
衛生的に飲水できる有用な容器でした。
明時代末期の景徳鎮窯を始めとし、
肥前有田でも盛んに造られて東南アジアや欧州へ輸出されました。


塩笥

塩笥とは胴部が膨んで口部が窄まった形状の壷です。
元来は塩を入れる器であったと伝えられています。
李朝の粉引や堅手等に見られ、
茶の湯では冬季の茶碗としても好まれています。
又、香炉や火入としても見立てられます。


酒海壷

酒海壷とは短い頸部が直立して肩が張り、
胴裾へ向かって曲線を描いて窄まった形状の広口壷です。
蓮葉を模った共蓋を伴っています。
酒会壷とも書き、酒壷としての用途があった事が知られており、
日本では大きさに合わせて水屋甕や水指、小物は薄茶器に転用されます。


沈香壷

沈香壷とは主に伊万里焼の広口有蓋壷を指します。
元来は香木の一種である沈香を収めて保存する為の壷とされていましたが、
現在では転じて器形の名称となっています。
元時代の景徳鎮窯で創作された形状とされており、
明~清時代を通して壷の定型となりました。
中国に倣って肥前有田でも輸出古伊万里の花形製品として量産され、
欧州で高い人気を博しました。
中には欧州で金属加工が施され、ランプとした作品もあります。


洲浜形

洲浜形とは洲(土砂が堆積して陸地のようになり水面上に現れた場所)が、
波打ち際に入り組んでいる浜辺を表現した器形です。
この器形に蓬莱山等を設けた台は「洲浜台」といって宴席の飾りや祝儀の島台とされます。
焼物では本来の洲浜台のような複雑な器形ではなく、
単純化された三つ輪の組み合わせや一辺を直線にして三つの山形とする器形が主です。


多嘴壺

多嘴壺とは肩部から管状の突起が上方に向かって立ち上がった形状の壷です。
死者への祈りと懐かしみを込めて墳墓に副葬する為に造られた明器として知られており、
宋時代に多く見られます。


俵壺

俵壷とは俵形を呈した胴部の中央上部に短頸の小さな口が付いた形状の壷です。
李朝前期の粉青沙器に多く見られ、
酒や水の容器、祭祀用として使用されました。
横長の器体の一方に本来の器底があり、そこを下に直立して焼成されました。


扁壺

扁壺とは丸くて扁平な形状の壺です。
耳付きの物と耳無しの物とがあり、
元来は携帯用の水入や酒入として、耳は紐を通す為に用いられました。
特に李朝の粉青沙器には優れた物が多いです。


万年壷

万年壷とは広口で肩がゆったりと丸く張り、胴裾が窄まった形状の壷です。
蓋は甲が盛り上がり、宝珠形の摘みが付いています。
名称の由来は中に穀物を入れて墳墓に納め、
死者の永遠の食料にしたと考える説が知られています。
そのゆったりとした豊満な姿形は唐時代の代表的器種に数えられます。


梅瓶

梅瓶とは口部が小さく、肩が張り、胴裾に向かって窄まった形状の瓶です。
「めいぴん」は中国語読みで梅の枝を生けるのに相応しいから、
小さい口径を「梅の痩骨」と呼ぶ事に由来するからともいわれています。


龍耳瓶

龍耳瓶とは平底卵形の胴に細長い頸が立ち上がり、
左右に龍頭形の把手を伴う形状の双耳瓶です。
西アジアのアンフォラ形のガラス器に影響を受けて成立したと考えられており、
唐時代の白磁や三彩に多く確認されています。


割山椒

割山椒とは口縁が外に向かって緩く開き、
口縁から胴に向かって三方から深くV字状に切り込んだ形状で、
山椒の実が爆ぜたようである事に由来します。


割俵形

古萩や八代焼に特殊な割俵形の一群が知られています。
轆轤で円筒状に土を挽き上げて米俵形を造り、
これを縦に半分に割って高台を付けています。
正面に十字文が彫り込んである鉢は、
キリシタンが洗礼に使用した聖水盤とも推測されています。