
護国神社から路地に入った閑静な住宅街に佇む「節魚 すし宗」さん。懇意にさせて頂いておりますお客様からのご紹介で、同行させて頂きました。物腰の柔らかい女将さんのエスコートで店内へ。お造り、おつまみが中川自然坊先生や西岡小十先生の器に盛り付けられ、器好きの大将との会話に花が咲きながら、お酒が進みます。


流れるような一連の美しい職人技に目を奪われます。



丁寧に入れられた包丁、宝石を想わせるような芸術的な握り。嚙めば嚙む程に、ふくよかな甘みが広がります。


熟成されたネタに合わせた絶妙のシャリ。食材の旨味を最大限まで引き出した魂の一貫です。



店内に設えられた西岡小十先生の絵唐津陶板。お客様がお持ちになられた荒川豊蔵先生の志野茶碗。西岡小十先生と荒川豊蔵先生は終生の友であり、すし宗さんとお客様の信頼関係を示しているようでした。美術作品が同じ想いや感性を持つ同志を呼び、人と人とが繋がっていく、文化サロン的な側面を感じる事ができるのも魅力的です。


福岡県は全国の中でも鮨人気が高い激戦区です。食材に拘り、地元の常連客様を大切にし、旬の魚を美味しく愉しんでもらいたいというご夫婦の二人三脚で積み上げてこられた想いが伝わってきます。「店は人なり」と云われるように、すし宗さんには温かい人情が宿っています。
福岡県福岡市中央区六本松1-2-14
節魚 すし宗