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 天平堂
炭とおがわ

炭とおがわ

2024年2月22日

福岡・中州の中心街に店舗を構える「炭とおがわ」さん。2022年11月に彗星のごとく現れ、今日において約半年先まで既に予約が埋まっているという注目の大人気店です。店主の小川浩次郎さんは京都・瓢亭で研鑽を積み、福岡の某日本料理店で料理長を務め、2014年の「RED U-35」では「BRONZE EGG」を受賞した輝かしい経歴の持ち主です。孤を描くカウンターで小川さんのライブパフォーマンスが茶事仕立てで展開されます。

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ワインを始めとしたドリンクメニューも充実しており、お料理との相性を考えたお酒を合わせてくれます。クープは左からローハン(オールドバカラ)、ゲブヴィレール、タン(ルネ・ラリック)が並び、シックな室礼に贅沢な時間が流れます。

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小川さんが相棒と称する「炭」の登場です。深みある芳香が店内に広がります。「五島のひらす」に「八女の筍」と「大分県産の菜の花」を添えて。

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指先から伝わってくる一つ一つの所作がとても繊細で美しく、先付け、向付、強肴、白味噌と流れるようにお料理が進みます。こだわりの器の数々は時候のお料理とのマリアージュを楽しんで頂きたいという想いが籠められているようです。

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スペシャリテの鰻は生きたものを捌くところから始まり、鰻の質によって焼き方を変えているそうです。この日は鹿児島県大隅半島の「しんこ」と呼ばれる皮の柔らかい鰻が使用されました。炭の熱源以上に素材を美味しくするものはなく、薫香、遠赤外線、ガスには引き出せない食感や旨味が増します。「炭とおがわ」さんの真骨頂はここにあります。

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煮物椀の替わりとなるのは「穴熊」と「根芹」の小鍋仕立て。穴熊の脂を焼いて出汁を取り、朝倉の芹と合わせています。土鍋は定評がある中川一辺陶氏の作。

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土鍋で炊かれた熊本県産のふっくらとしたお米「くまさんの輝き」。「大分県産の蘭王」に「蒲焼」の相性は抜群です。おかわりは「自家製明太子」に「ちりめん山椒」を加えて。

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水物は「キャラメルアイス」に出来立ての「わらび餅」が乗ります。「黒あん」は北海道産の大納言。サン・ルイのフルートの断面にグラデーションが映えます。

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茶道経験者の小川さんが組み立てるコースの最終目標は一杯のお薄(抹茶)を美味しく飲んで頂く為にあるそうです。総合芸術と云われる茶道において亭主が正客を始めとする数名のお客様を招き、炭を継ぎ整え、懐石とお酒でもてなし、じっくりと交流を深めるのがフルコースである茶事の醍醐味です。これらは全て一杯の濃茶を頂く為の過程にあります。「あまり気にせず、楽しく食べて下さいね。」とお話される小川さんの爽やかな笑顔がとても印象的で、同席させて頂きましたお客様も帰り際には旧知の友のように親しくなっていました。これは一期一会を大切にされる小川さんのお人柄によるものだと思います。

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〒810-0801
福岡県福岡市博多区中洲5-2-5 サフィール許斐3F
炭とおがわ
050-5485-3617