初期伊万里の中でも人気の高い蕪文を題材とした作品です。しっかりとした厚手の造りに上手らしい鍔縁が設けられ、ほんわかとした長閑な趣が漂います。蕪は地中に根を張り、地上に葉を広げる姿から、家の安泰や繁栄を象徴する吉祥文様とされ、「株が上がる」に通じることから、商売繁盛や出世祈願の意匠としても親しまれてきました。焼成過程で生じた地貫入が全体に見られますが、甘手ではなく、時代の風合いとして落ち着いた景色を添えています。
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- 商品コード
- 260620-2
- 時代
- 江戸時代
17世紀前半
- 重量
- 427g
- 口径
- 19.8cm
- 高さ
- 3.6cm
- 底径
- 6.9cm
- 付属品
- 桐箱
- 状態
- ・完品

初期伊万里
初期伊万里とは1616(元和2)年に誕生したと伝えられる日本最初の磁器です。
創成期には成形後の素焼き(約900℃)を省き、
高火度(約1,300℃)で焼き上げる「生掛け」の技法が用いられていました。
この方法は17世紀中期頃まで続きますが、後半になると素焼き工程が導入され、
焼成中の歪みや割れが次第に減少していきます。
当時の窯内では、灰や鉄分などの降り物が器面に付着することもありました。
また、窯床には熔着を防ぐための粗砂が撒かれていたため、畳付に砂が残る作品も見受けられます。
こうした技術的な試行錯誤は、朝鮮から渡来した陶工たちの手によって支えられたものであり、
文様構成には中国・明時代末期の景徳鎮磁器の影響が色濃く反映されており、
同時に日本独自の美意識を模索する過渡期でもありました。
初期伊万里の銘款は種類がきわめて少なく、
文字の意味や書法を十分に理解しないまま中国磁器を模倣したため、
解読困難な字形や誤字も散見されます。
素朴な筆致で描かれた絵付けには、率直で味わい深い魅力が宿っており、
技術的には未完成でありながら、後の完成期には見られない初々しさと大胆さが息づいています。
そこには「未完成の中に見出される美」があり、
温かみを帯びた柔和な釉調は、李朝磁器にも通じる静かな品格を湛えています。







