厚手の白磁に咲く五彩の華。奔放な筆致が生む南京赤絵は、素地の澄明と響き合い、布袋尊の福徳を静かに讃えます。中国では弥勒の化身、日本では七福神の一尊として、豊穣と安寧を齎す存在です。
- 時代
- 明-清時代
17世紀
- 重量
- 約 282g(1客あたり)
- 横幅×奥行
- 約 18.7 × 14.3cm
- 高さ
- 約 3.0cm
- 底径
- 約 11.3 × 8.1cm
- 次第
- 桐箱(段箱)
- 状態
- 完品(縁に虫喰があります)
地肌や色絵の発色、焼き上がりも理想的で、素晴らしい状態を保っています。1客のみ口縁に窯傷があります。
南京赤絵
南京赤絵とは明時代末期から清時代初期に景徳鎮民窯で焼成された五彩磁器です。
狭義には天啓赤絵や色絵祥瑞とは区別される傾向があり、
独自の様式として位置付けされています。
その名称は明王朝の都が南京にあった事に由来し、
中国から渡来した色絵(五彩)磁器を漠然と包括する呼称として定着しました。
透明感のある乳白釉を施し、色絵のみで構成されているものが多く、染付の使用は控えめです。
欧州向けには主に壺、盤、水注、花瓶、大徳利、蓋物等の大作が中心を成し、
日本向けには食器や茶道具により構成されています。