伝統と現代性が融合した龍作思想の優品に数えられる白萩茶碗です。成形後に一息の勢いで刻まれた彫目とたっぷりと施された雪のように白い休雪白が見事な景色を生み出しています。陶芸の概成概念を打破する確固たる精神と天性の豊かな造形力を駆使して鮮烈で刺激的な話題作を次々と発表しています。
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- 商品コード
- 240505-13
- 作者
- 三輪龍作
1940(昭和15)年生
- 重量
- 614g
- 径
- 12.5cm
- 高さ
- 10.0cm
- 底径
- 7.0cm
- 次第
- 共箱
共布
- 状態
- 完品(無傷)
未使用の良好な状態を保っています。
12代三輪休雪(龍氣生) 1940(昭和15)年生
12代三輪休雪は11代三輪休雪(壽雪)の長男として山口県萩市に生まれました。
本名を龍作、号を休雪・龍氣生といいます。
1959(昭和34)年、画家を志望して絵画制作を始めました。
エドヴァルド・ムンクの絵画、谷崎潤一郎や太宰治の文学に惹かれました。
1967(昭和42)年に東京藝術大学大学院陶芸専攻を修了後、
処女作「花子の優雅な生活(ハイヒール)」を卒業制作しました。
1974(昭和49)年、山口県萩市椿東上野に築窯しました。
山口県芸術文化振興奨励賞を受賞しました。
1977(昭和52)年、萩女子短期大学教授に就任しました。
ファエンツァ国際陶芸展でゴールドメダルを受賞しました。
1979(昭和54)年、国際陶芸アカデミー(I・A・C)会員となりました。
この頃から初期の赤や青等の原色釉を用いたオブジェから脱却していきます。
1980(昭和55)年頃より茶陶制作を開始します。
1981(昭和56)年に個展「初咲展」で茶陶を発表して伝統回帰を示唆しますが、
翌年には一転して個展「黒の風景展」で新境地のオブジェを発表しました。
その後、藁灰釉の白と見島土の黒とのコントラストを基調とした作品が続きますが、
1988(昭和63)年の個展「新愛液展」で生の土による巨大な作品を制作し、
同年の個展「卑弥呼展」では金彩作品を発表しました。
卑弥呼はシリーズ化され、「卑弥呼山」、「卑弥呼の書」と制作し、
このシリーズから作品の大形化が顕著となります。
1989(平成元)年、日本陶磁協会賞を受賞しました。
1992(平成4)年に黒陶による「卑弥呼の書」を発表してこのシリーズに区切りを付けると、
やがて黒陶に色彩を加えた技法「黒陶彩」を発表します。
1993(平成5)年、萩陶芸家協会を設立し、初代会長に就任しました。
1994(平成6)年、山口県選奨(芸術文化功労)を受賞しました。
1999(平成11)年、中国文化賞を受賞しました。
2000(平成12)年、還暦を迎えて白釉による「龍氣盌」と名付けた茶陶を発表しました。
2003(平成15)年、12代三輪休雪を襲名しました。
2007(平成19)年に中国山東省・日本山口県友好関係締結25周年事業として、
山東省博物館で大規模な回顧展が開催されました。
2019(令和元)年、弟・和彦に家督を譲って隠居し、「龍氣生」と号しました。
陶芸の概成概念を打破する確固たる思想と、
天性の豊かな造形力を駆使して鮮烈で刺激的な話題作を次々と発表しました。
最高の美意識への憧れや真実の追求としての「エロス」、
その対極にある「死」は人間にとって切り離す事のできない根源に関わるものであり、
「エロス‐生‐死」という重要な問題に真正面から取り組んでいます。
大胆なエロスの謳歌に始まったその手仕事は次第に生から死への領域へと深化し、
更に宗教的な精神世界への沈潜を示すに至っています。
「卑弥呼シリーズ」においては高いレベルの纏まりを見せており、
茶陶は豪快で重厚感のあるどっしりとした造りで、
茶の湯の常識や類型を超えた機能性にとらわれないオブジェとしての輝きを秘めています。