元来は皿として生まれる作品でしたが、制作過程で侘びた姿に変形し、後に茶人が小服茶碗として大切に伝えてきた様子が窺えます。薄手の為に手取りは軽く、見込みの勢いある線彫りが特徴を示しています。酒盃に見立てたり、御料理を彩ったり、茶籠に仕込んだりと幅広くお楽しみ頂けます。
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- 商品コード
- 231216-2
- 時代
- 朝鮮時代
16世紀
- 重量
- 131g
- 口径
- 13.3×10.1cm
- 高さ
- 5.3cm
- 底径
- 4.7cm
- 次第
- 時代箱(桐箱)
- 状態
- 口縁に金直しがあります
見事な土味、柔らかな釉調、かせも少ない良好な状態を保っています。
無作為の中に生まれた編笠形は侘びた風情があり、
灰色と白色のコントラストが美しく映えます。
親水性がある為、
水を含むと瑞々しい豊かな表情を見せます。
数百年もの長きに亘り使用され、
味わい深い肌へと変化を遂げています。
総釉の竹節高台で5箇所の目跡が確認できます。
茶道具として伝えられてきた上質の時代箱が添います。
こうした次第からも育ちの良さが窺えます。
無地刷毛目
無地刷毛目とは鉄分の多い灰色の素地に見込みから外側の裾にまで白泥を施し、
総体に透明釉を掛けて焼成した粉青沙器です。
白泥は粉引と同様に浸し掛けされており、
刷毛を用いていないところから名付けられました。
鶏龍山
鶏龍山とは韓国忠清南道広州市にある名峰で山麓には多くの古窯跡が散在しています。
15~16世紀を中心とし、
自由闊達な筆法で鉄絵文様を描いた粉青沙器は「鶏龍山」と呼ばれ、
世界的に高い声価を得ています。
三島や刷毛目等の粉青沙器、白磁も焼成されており、
器形は鉢、碗、皿、瓶、壺等の多岐に亘ります。