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 天平堂
Aode-Kutani Dish with Design of Camellia(Edo Period)-y1

青手古九谷椿文皿(江戸前期)

2,000,000(税込)

妖艶な色彩に魅了される青手古九谷の名品です。この時代における一つの到達点を示す技術が集約されており、厚手でありながら繊細な厳しさを持ち合わせています。北大路魯山人も「古九谷は芸術」と絶賛しており、雄渾で凛とした佇まいは空間を昇華させる特別な空気感をまとっています。

商品コード
230903-4
時代
江戸前期
17世紀中期
重量
426g
口径
19.8cm
高さ
2.9cm
底径
11.3cm
次第
桐箱(張込箱)
アクリル皿立て
状態
完品

美しい釉色、秀抜な焼き上がり、優れた状態と一級品の条件を満たしています。

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Video

肥前磁器


1616(元和2)年に日本で最初の磁器「初期伊万里」が生まれた後、
1640~50年代になると染付を中心とした伊万里焼に色絵技法が導入されます。
このように全面を色釉で塗り込んだ作品は「青手古九谷」と呼ばれ、
古九谷の象徴と云える貫禄を持ち合わせています。
主題の椿文は茶の湯では炉の季節の花として切り離す事ができず、
長寿の吉祥文様として知られています。

青手古九谷椿文皿(江戸前期)-1

やや厚手の造形はとても端正です。
赤色を一切使用しない黄色と緑色の対比に魅了されます。

青手古九谷椿文皿(江戸前期)-2

椿文の背景は花地紋の艶やかな黄釉。
現品に見られる黄釉ではなく、反転した緑釉地の作例も確認されています。
周囲の縁銹が器面を引き締めます。

青手古九谷椿文皿(江戸前期)-3

初期伊万里と比較して、高台幅が広くなります。
裏側面には黒描き唐草文が廻ります。

青手古九谷椿文皿(江戸前期)-4

弊店で特注した最高級仕様の桐箱(八方面印籠箱)です。

青手古九谷椿文皿(江戸前期)-5

専門の張込職人さんに特注して仕上げる内箱仕様です。
すっきりとした内観で作品の収納がスムーズにできます。

青手古九谷椿文皿(江戸前期)-6


古九谷様式

https://tenpyodo.com/dictionary/old-kutani/

古九谷様式とは江戸前期に肥前有田で焼成された伊万里焼の様式です。
1640~50年代になると染付を中心とした伊万里焼に色絵技法が導入され、
この目覚しい技術革新で初期伊万里が新たに発展した「古九谷様式」へと変貌を遂げました。
中国陶磁の模倣に始まった色絵磁器が日本独自の展開を見せ、
晴れやかな宴席の器として、
茶人好みの作品や懐石道具も多く造られました。
絵付けが格段に良くなった作品も見られ、絵師の参加も窺えます。
在銘作品も飛躍的に増え、「角福」、「誉」等の様々な銘款が用いられました。
皿類の高台幅が広くなった事から焼成中に高台内の底部が垂れるのを防ぐ為、
磁胎と同じ材質で作られた「針」という円錐状の支えを付ける手法が普及します。
初期伊万里は高台が小さい為に針(目跡)を使用した例は大皿を除いて少ないです。
色絵古九谷は堂々とした雄渾な力強さが感じられ、
独特のデザイン様式や油彩を思わせる濃厚な配色が用いられている事から、
加賀(石川県)で焼成されたという「加賀説」が長く信じられてきましたが、
有田古窯跡から古九谷様式と一致する多数の色絵素地や色絵陶片が出土し、
肥前(佐賀県)有田で焼成されたと考えられる「肥前説」が通説に至っています。
17世紀中期における肥前陶工達の血の滲むような努力により、
世界最高品質を誇る景徳鎮磁器を視野に捉えました。


青手古九谷

青手とは古九谷様式の色絵磁器の一種です。
この低火度釉を塗り込む技法は、
交趾三彩や黄地緑彩磁器(景徳鎮窯)等に影響を受けたと推測されています。
素地は大半が素焼きをせずに生掛け焼成であり、
良質の白色磁胎、半磁胎、素質な陶胎まで質にかなりの幅があります。
山辺田窯が代表的産地として知られています。


前田家と古九谷

高価な色絵顔料を大量に使用した色絵古九谷や青手古九谷の生産は、
染付に比べて桁違いにコストが掛かった事は容易に推測でき、
加賀藩前田家、大名家、関西富裕商人が主な購買層でした。
特に前田家は中国磁器(古染付、祥瑞、南京赤絵等)の愛着が深かった事で知られます。
1640年代の明・清王朝交代に伴う内乱によって景徳鎮磁器が海外輸出の中断を余儀なくされると、
代替品となる国産の高級色絵磁器を求める声が急速に高まりました。
前田家屋敷跡(東京大学本郷構内遺跡)からは五彩手を中心に質の高い古九谷が出土しており、
鍋島家と前田家は婚戚関係にあった深い関連性も指摘されています。
富裕層は豪奢な宴席(ハレの場)で魚や鳥を盛り付ける大皿を好んだ事から、
国内でも存在の少なかった40cmを超える古九谷大皿が生産されました。
ステータスシンボルの一つであった為、古九谷大皿には同意匠の作品が殆どありません。


椿

椿は常緑樹である事から長寿を象徴します。
日本原産で古来より呪力を持つ神聖な樹であると伝えられ、
椿で作った杖や槌、枝や葉を焼いた灰や煙は、
災いや悪霊を祓う「厄除け」の力が信じられました。
茶の湯では炉の季節の花として切り離す事ができず、
日常生活において油、化粧品、薬としても重宝されました。
紅白の色合いはお祝いの席にも相応しく、
気品と華やかさを備えた着物の柄としても人気があります。