口縁に打たれた見島土の黒化粧と、柔らかな休雪白の対比が美しい品位ある筒盃です。
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- 商品コード
- 230301-14
- 作者
- 11代 三輪休雪
1910(明治43)年~2012(平成24)年
人間国宝
- 重量
- 67g
- 口径
- 5.5cm
- 高さ
- 4.5cm
- 底径
- 3.8cm
- 次第
- 共箱
共布
栞
- 状態
- 完品
使用感のない良好な状態を保っています。
11代 三輪休雪(壽雪) 1910(明治43)年~2012(平成24)年
11代三輪休雪は9代三輪雪堂の三男として山口県萩市に生まれました。
本名を節夫、号を休(襲名前)・休雪(襲名後)・壽雪(隠居後)といいます。
1927(昭和2)年に山口県立萩中学校を卒業後、
兄・10代三輪休雪(休和)に師事して家業に従事しました。
1941(昭和16)年に三重県津市の千歳山窯で川喜田半泥子に師事し、
短期間でしたが精神的な面で大きな影響を受けたとされています。
1955(昭和30)年、「休」と号して自己作品の発表を開始します。
これまでの約30年という長い年月は下職として三輪窯を支えながら、
置物造りを始めとした基礎的修練に明け暮れていました。
「休」とは兄に対する尊敬の念から、
心・技共に休雪の半人前であると卑下した奥床しい心情が滲み出た号でした。
1960(昭和35)年、日本工芸会正会員となりました。
1961(昭和36)年、山口県芸術文化振興奨励賞を受賞しました。
1963(昭和38)年、山口国体開催の際に山口県より天皇陛下献上の作品を制作しました。
1967(昭和42)年、11代三輪休雪を襲名しました。
1968(昭和43)年、中国文化賞を受賞しました。
1970(昭和45)年、山口県選奨(芸術文化功労)を受賞しました。
1972(昭和47)年、日本工芸会理事に就任しました。
山口県指定無形文化財に認定されました。
1976(昭和51)年、紫綬褒章を受章しました。
1979(昭和54)年、山口県立美術館顧問に就任しました。
1982(昭和57)年、勲四等瑞宝章を受章しました。
1983(昭和58)年、重要無形文化財「萩焼」の保持者(人間国宝)に認定されました。
1990(平成2)年、勲四等旭日小綬章を受章しました。
2002(平成14)年、山口県文化特別功労賞を受賞しました。
2003(平成15)年、長男・龍作に家督を譲って隠居し、「壽雪」と号しました。
萩焼の伝統を受け継ぎながら斬新で卓抜した感覚を駆使し、
因習的な茶陶の世界に新風を齎すものとして、
前例の無い日本伝統工芸史上初の兄弟人間国宝となる快挙を成し遂げました。
日本現代陶芸界の頂点に位置する重鎮で独特の休雪様式を確立して、
その技法・伝統を現代に活かしています。
兄と大成した「休雪白」を始めとし、
休雪碗ともいうべき「鬼萩」、「割高台」は茶陶という概念を超え、
まさに一個のオブジェといえる極致にあります。
休雪白
萩焼伝統の藁灰釉を改良して生み出された新境地「休雪白」は、
兄である三輪休和と研鑽を積んで大成し、
萩焼の近代化に大きな役割を果たしました。
萩焼の伝統を受け継ぎながら斬新で卓抜した感覚を駆使し、
前例の無い日本伝統工芸史上初の兄弟人間国宝となる快挙を成し遂げました。