今回はアート業界の仲間の一人、
「古美術 吉戸」の吉戸幹雅さんについて書かせて頂きます。
吉戸さんと私の初めての機縁は、約10年前。
まだ天平堂が北九州にあった頃で、
一本の電話から、
わざわざお店まで訪ねて来てくれた事に始まります。
その頃は今は亡き父が天平堂を切り盛りしており、
私は父の後ろでサポートに徹していました。
吉戸さんはイギリス留学から帰国し、沖縄で独立起業して間もない頃で、
一つしか年齢が違わないのに行動力と気合いが凄いな。
と感じた事を今でも覚えています。
吉戸さんは父と気が合った事や、
都会過ぎない小倉の街が肌に合うという理由で、
たびたび天平堂を訪ねてくれるようになりました。
父が好きだった稚加栄で夕食を共にしたりと、
次第に関係性も深まっていきました。
吉戸さんは聡明で洞察力があります。
仕事ばかりで余裕がなく、私の気を張り詰めすぎる性格を知った上で、
N.Yのアートフェア、香港のオークションに誘ってくれたり、
「少し心に遊びを持って取り組みなよ」と、
私の狭い視野を優しく広げてくれました。
吉戸さんは自分の損得抜きに人を応援するという、
なかなか今の世の中で希薄になってきている温かさ、漢気があります。
花人の横川志歩先生をご紹介して下さったのも吉戸さんであり、
数え切れない位の大切なご縁を頂きました。
吉戸さんは青山から赤坂に移転し、明日(7月7日)にリニューアルオープンします。
コロナ渦で店舗型からオンライン販売へ移行される方が多い中、
あえて賃料の高い東京の赤坂に店舗を構えるというのはとても覚悟がいる事だと思います。
勿論、商売という事もあるかと思いますが、
彼の性格上、実際に手に触れて欲しい、古美術の良さを少しでも感じて欲しい。
という思いが上回っているのではないでしょうか。
7月7日(水)~7月14日(水)は、
オープニングセレモニーを兼ねた「古美術七夕祭」として、
11:00~19:00まで無休で営業されるようです。
新店舗でのご活躍、ますますのご発展を祈念しています。
〒107-0052
東京都港区赤坂7-5-15 From 1st AKASAKA 109号
古美術 吉戸
03-6805-3055
「天平の風」は天平堂に関わって下さった方々に感謝を込めて少しずつ綴っていくコラムです。