唐津やきもん祭りの期間に村多正俊さんが企画プロデュースした限定イベントに参加させて頂きました。はるばる関東からの参加者様もあり、申し込み開始後、すぐにチケットは完売となったようです。2023年にご逝去された吉野敬子さんの絵唐津花入を用いた某数寄者様の心ある趣向と室礼。村多さんの唐津への熱意、それに賛同する方々が一丸となってイベントを作り上げているのだと改めて感動を覚えました。
第一部は秦笑一(秦秀雄さんのご子息)さんがお父様(秦秀雄)のルーティン、食、日常の思い出を優しくお話下さいました。北大路魯山人、青山二郎氏、白洲正子氏との関係やここでしか聞けない裏話も含め、村多さんと勝見充男さんが巧みに切り込んで下さいます。初公開となる肉声は歯切れが良く、人に流されない個性と力強さが感じられました。秘蔵の初期伊万里徳利と古唐津ぐい呑も拝見に。
第二部は各々が酒器を持ち込んでの宴席。ご都合によりご参加が適わなかったお客様の古唐津ぐい呑を持参して。古唐津はわずか30年間しか造られなかったのですが、村多さんを始め、地元の陶工さん、古唐津に魅せられた方々が唐津の地に集い、想いを馳せる。これに合わせて限定製本された「古唐津のぐい呑」は既に完売したそうです。文化を担っていく素晴らしい企画と勢いに刺激を受けました。