西岡小十
Koju Nishioka
西岡小十 / 西岡良弘
西岡小十 1917(大正6)年~2006(平成18)年
西岡小十は佐賀県唐津市に生まれました。
本名を悟といいます。
唐津中学から高校を経て、関西大学を卒業した後、商社に就職しましたが、
兵役で満州にて野砲部隊に従軍しました。
終戦を迎えて帰国して後は生命保険会社に勤務しましたが、後に唐津に帰郷します。
焼物好きの友人に誘われて帆柱窯を訪れた時、
斑唐津の陶片の美しさに心を奪われた事が古唐津との邂逅でした。
1953(昭和28)年頃から生活の為に唐津古窯跡の発掘を始めました。
発掘陶片を骨董屋へ持ち込んでは生活費に充て、
良い物は高く売れるという、生きる為に命を掛けた経験から必然的に目が肥えました。
1960(昭和35)年、小山冨士夫と面識を得ました。
1971(昭和46)年、小山冨士夫の指導を受けて衣干山に「小次郎窯」を築窯しました。
築窯、粘土採集、制作、窯焚等の心労から大病で手術し、
初個展が開催されたのは、1975(昭和50)年の事でした。
1976(昭和51)年、荒川豊蔵が来窯しました。
1980(昭和55)年、藤原啓が来窯しました。
1981(昭和56)年、「絵斑唐津」の復元に成功しました。
荒川豊蔵の命名による「小十窯」を開窯しました。
1983(昭和58)年、「梅花皮唐津」の復元に成功しました。
1999(平成11)年、石川県能美市辰之口町に加賀唐津「辰之口窯」を開窯しました。
古陶器に関する周到な研究に裏付けられた確かな技術力は、
世界的権威のある陶磁研究家・小山冨士夫をも魅了し、
「唐津焼の事なら知り尽くしている古唐津の神様」と言わしめ、
荒川豊蔵には「唐津を熟知している西岡には何も言う事がない」と高く評されました。
世間の私利私欲とは無縁の無冠を貫いて古唐津再興に邁進した、
現代唐津焼の第一人者として不動の地位を確立しています。
西岡良弘 1954(昭和29)年生
西岡良弘は西岡小十の長男として佐賀県唐津市に生まれました。
1972(昭和47)年、作陶を始めました。
1977(昭和52)年、互窯会会員となりました。
1994(平成6)年、「凌雲窯」を築窯しました。