灰白色の素地に乳白釉を厚く施し、その上から赤、緑、青、黒を用いて力強く描き出す独特の上絵技法は、いわゆる「スワトウ・ウェア」として、東南アジアから日本へ広く流通したものです。見込みには、瑞鳥として尊ばれる鳳凰が大輪の牡丹に寄り添うように配され、伸びやかな筆致と濃淡の妙が響き合い、画面に豊かな生命感をもたらしています。裏面には焼成時に撒かれた砂が付着するなど、民窯ならではの景が残されており、当時の制作環境を物語っています。奔放で自由闊達な表現は漳州窯の魅力をよく示しており、日本では茶席の菓子鉢として茶人に珍重されてきた一品です。
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⇒ 東京国立博物館 所蔵品(外部サイト)
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- 商品コード
- 260402-1
- 時代
- 明時代
17世紀前半
- 重量
- 804g
- 口径
- 27.2cm
- 高さ
- 4.9cm
- 底径
- 14.9cm
- 付属品
- 時代箱
- 状態
- ・完品

呉須赤絵
呉須赤絵とは明時代末期を中心に福建省南部の漳州窯で焼成された色絵磁器です。
その様式は景徳鎮民窯における古赤絵や金襴手の系譜を受け継ぎつつ、
そこから独自に展開されたものと捉えられています。
基本的に染付は下地に用いられず、乳白色の失透釉が内外に厚く施されています。
上絵付けは赤色を基調に緑や青色が加えられ、
時に荒々しささえも帯びる筆致には独特の風格が醸し出ています。
稀に赤玉文様の上に金箔を施した例も見られます。
焼き上がりは全体的にボテボテとした甘い作品が多く目立ちます。
砂を敷いて器物を焼成していたため、底部に砂が付着している点も特有の景です。
文様構成には「天下一」の文字銘やアラビア文字を描いた作品もあり、
東南アジアから日本を主商圏としていた背景が窺えます。
日本の茶人は玉取獅子鉢や魁手鉢を高く評価し、
その奔放さと異国趣味は、茶の湯の世界に新たな美意識をもたらしました。











