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 天平堂
古染付吹墨玉兎文皿(明時代)-1

古染付吹墨玉兎文皿(明時代)

御売却済

垂涎の的として抜群の人気を誇る古染付吹墨の特別作品です。短冊に記された「玉兎(ぎょくと)」は、古来中国において月には兎が棲むと考えられていた伝承に由来する月の雅称であり、短冊は月を象徴し、兎はその月を仰ぎ見る姿として描かれています。この詩的な構図は初期伊万里にも受け継がれ、兎を主題とした吹墨技法によって再現されました。

商品コード
251111-1
時代
明時代
17世紀前半
重量
258g
口径
19.0cm
高さ
8.2cm
底径
2.6cm
次第
桐箱(印籠箱)
状態
完品(口縁に虫喰があります)

美しい肌、理想的な染付、秀抜な焼き上がりと優品の条件を満たしています。

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古染付吹墨玉兎文皿(明時代)-11

明時代


古染付

古染付とは明時代末期の天啓年間(1621-27)を中心に景徳鎮民窯で焼成された染付磁器です。
「新渡り」と呼ばれる清時代の染付に対し、古式に属する「古渡り」の染付との意味合いで、
独特の様式を持つ一群が「古染付」と独立した呼称で親しまれており、
遺例も日本に多く伝来しています。
この時代は万暦帝の崩御により景徳鎮官窯が閉鎖され、
民窯が生産と流通の主導権を握っていました。
官窯に従事していた陶工達も生計を立てる為に民窯へ移り、
官窯の品格を感じさせる優品も残しました。
その多くは古染付と祥瑞に属しています。
日本の茶人による注文品としての茶陶と、日常使いの器物とに大別されており、
茶陶としての古染付は日本人に親しまれた厚手の陶胎に倣い、
全体に肉取りが厚く、力強い造形が特徴です。
明時代末期は日本の茶人が新奇な茶道具を求めて注文焼成を盛んに行った時期でもあり、
それぞれの美意識に応じた茶道具が発注されました。
古染付の多くには素地と釉薬の収縮率の相違から釉薬が剥落し、胎土が露出する現象が見られます。
虫が喰ったように見える事から、これを「虫喰(むしくい)」と呼びます。
特に口縁や角部等、釉薬が薄く掛かった部分に見られるのが特徴です。
通常の焼物においては欠点とされるこの現象も、
茶人はそこに自然の雅味を見出し、粗笨な趣を美的効果として評価しました。

https://tenpyodo.com/dictionaries/china-ming-qing/


吹墨

吹墨とは呉須を霧吹き状に吹き掛ける装飾技法です。
線書きや濃みではできない濃淡やグラデーションを表現する事ができます。
明時代末期の古染付が起源とされ、
初期伊万里においても影響を色濃く受けて再現されました。