Special Preview先行紹介
器面を隙間なく満たし、祥瑞ならではの冴えが際立つ平皿です。見込みには「百花の王」と称される牡丹文が気品を湛えて咲き、周囲には松竹梅の吉祥文、釣人、地紋が静かに調和を奏でています。古染付では土の精製が不十分な為、焼成時に縁へ空気が入り、虫喰が生じてしまいますが、祥瑞では施釉後に縁釉を剥がし、鉄釉を施す事で空気の侵入を防ぐ工夫がされていると云われます。厚みのある精緻なアシンメトリーの造形には、日本独自の美意識が宿っており、高台内には祥瑞特有の銘「大明嘉靖年製 福」が職人の誇りを語り継いでいます。
- 時代
- 明時代
17世紀前半
- 重量
- 532g
- 口径
- 19.9cm
- 高さ
- 3.4cm
- 底径
- 14.5cm
- 次第
- 桐箱
- 状態
- 完品
底部に窯傷が1箇所あります
美しい肌、理想的な染付、秀抜な焼き上がりと優品の条件を満たしています。

祥瑞
祥瑞とは明時代末期の崇禎年間(1628-44)に景徳鎮民窯で焼成された最高級磁器です。
名称の由来は器の一部に「五良大甫 呉祥瑞造」という染付銘文がある事により、
「呉家の五男の家の長子が造った」という解釈がされています。
小堀遠州が関わっていたという説もあり、茶人、武家、寺院、豪商等が受容層として挙げられます。
純良な白磁胎で肉取り厚く成形され、手取りはずっしりと重いです。
青く冴え渡った染付、抜けるように澄んだ透明釉に特色があり、
器の表面を隅なく吉祥文様や幾何学文様で埋めたりする事に主眼が置かれています。
器形には桃山茶陶が一部モデルになっており、水指、茶碗、茶入、香合、茶巾筒、振出等の茶道具、
徳利、鉢、向付、皿、酒盃等の高級食膳具が知られています。
茶事の取り合わせで祥瑞を入れる事により清潔感が出て、陶器や色絵と調和を取る事ができます。











