小堀遠州の美意識が垣間見れる希少性の高い祥瑞です。極めて厚い肉取り、青々とした純良な染付、声価の高い針木と堂々たる存在感を放っています。
- 時代
- 明時代
17世紀前半
- 重量
- 803g
- 口径
- 23.0cm
- 高さ
- 5.0cm
- 底径
- 14.7cm
- 備考
- 時代箱(杉箱)
- 状態
- 縁に金直しが1個所あります
美しい地肌、理想的な染付、秀抜な焼き上がりと優品の条件を満たしています。
祥瑞
祥瑞とは明時代末期の崇禎年間(1628-44)に景徳鎮民窯で焼成された最高級磁器です。
名称の由来は器の一部に「五良大甫 呉祥瑞造」という染付銘文がある事により、
「呉家の五男の家の長子が造った」という解釈がされています。
小堀遠州が関わっていたという説もあり、茶人、武家、寺院、豪商等が受容層として挙げられます。
純良な白磁胎で肉取り厚く成形され、手取りはずっしりと重いです。
青く冴え渡った染付、抜けるように澄んだ透明釉に特色があり、
器の表面を隅なく吉祥文様や幾何学文様で埋めたりする事に主眼が置かれています。
器形には桃山茶陶が一部モデルになっており、水指、茶碗、茶入、香合、茶巾筒、振出等の茶道具、
徳利、鉢、向付、皿、酒盃等の高級食膳具が知られています。
茶事の取り合わせで祥瑞を入れる事により清潔感が出て、陶器や色絵と調和を取る事ができます。