好画題の唐獅子文を主題とした呉須赤絵の優品です。乳白色の磁胎に燃えるような赤を基調に緑や青色が配され、洒脱な筆捌きに魅了されます。自由奔放で飾らない雰囲気の作風は茶人間で人気を博しました。同様の図柄の作品が東京国立博物館や出光美術館に確認できます。
⇒ 東京国立博物館(外部リンク)
- 時代
- 明時代
17世紀前半
- 重量
- 1,270g
- 口径
- 33.3cm
- 高さ
- 7.2cm
- 底径
- 17.2cm
- 次第
- 時代箱
アクリル皿立て
- 状態
- 完品
赤絵の擦れや色釉の剥離もなく、美しい様相を保っています。焼成の具合で釉薬の一部が煮え、灰色を呈していますが、粗笨な趣に美を見出される呉須赤絵ですので、許容の範囲とも捉えられます。

呉須赤絵とは明時代末期を中心に福建省南部の漳州窯で焼成された色絵磁器です。
その様式は景徳鎮民窯の古赤絵や金襴手の系譜を引いています。
輸出港である広東省の汕頭港に因んで欧米では「スワトウ・ウェア」と呼ばれています。

獅子には魔除けの力があるとされており、
牡丹と組み合わせた「唐獅子牡丹」、玉と戯れる「玉取獅子」が有名です。
「牡丹に獅子」とは取り合わせの良い例えを指します。

艶やかな赤絵が乳白色の磁胎を引き立てています。

赤い丸文を配した「赤玉」は茶人間で好まれました。

砂を敷いて器物を焼成していた為、
底部に砂が付着しているのも特色の一つです。
日本の茶人は粗笨な味わいに自然の雅味を見出しました。

同様の図柄の作品が出光美術館に所蔵されています。

呉須赤絵
呉須赤絵とは明時代末期を中心に福建省南部の漳州窯で焼成された色絵磁器です。
その様式は景徳鎮民窯における古赤絵や金襴手の系譜を受け継ぎつつ、
そこから独自に展開されたものと捉えられています。
基本的に染付は下地に用いられず、乳白色の失透釉が内外に厚く施されています。
上絵付けは赤色を基調に緑や青色が加えられ、
時に荒々しささえも帯びる筆致には独特の風格が醸し出ています。
稀に赤玉文様の上に金箔を施した例も見られます。
焼き上がりは全体的にボテボテとした甘い作品が多く目立ちます。
砂を敷いて器物を焼成していた為、底部に砂が付着している点も特有の景です。
文様構成には「天下一」の文字銘やアラビア文字を描いた作品もあり、
東南アジアから日本を主商圏としていた背景が窺えます。
日本の茶人は玉取獅子鉢や魁手鉢を高く評価し、
その奔放さと異国趣味は、茶の湯の世界に新たな美意識を齎しました。











