深いオリーブグリーンの翠色を放つ龍泉窯の天龍寺青磁です。幾重にも厚く施された青磁釉が古格と重厚感を醸し出しています。舶来された荘厳な唐物は高級美術品として多くの人々を魅了してきました。
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- 商品コード
- 240827-2
- 時代
- 明時代初期
15世紀
- 重量
- 77g
- 口径
- 5.3cm
- 高さ
- 3.9cm
- 底径
- 3.6cm
- 次第
- 仕覆
桐箱
- 状態
- 完品
深い青磁色、良好な焼き上がりと優品の条件を満たしています。口縁にノミホツがありますが、完品の範疇です。
中国から伝来した唐物や青磁は茶の湯における「真」の道具であり、
権力者や文化人のステータスシンボルとして珍重されました。
中でも龍泉窯青磁は特に日本人に親しまれています。
千鳥香炉の形状を呈しています。
名称の由来は千鳥が片足を上げた仕草に準えた事からの説、
石川五右衛門が豊臣秀吉の寝所に忍び込んだ際、
香炉の蓋に付けられた千鳥が鳴いたという故事による説等が知られています。
幾重にも重ねられた釉層の青磁釉が柔らかな光沢を放ち、
口当たりは抜群です。
香炉として生まれたものとも推測されますが、
内部にまで青磁釉が施されており、
酒呑として理想的な寸法です。
鉄分の多い胎土が深みある落ち着いた色合いを生み出します。
釉薬に鉄分が少ないと淡い青色、鉄分が増すと緑色を帯びます。
遠州好みとなる最上質の桐箱に仕覆も誂えられ、
貼紙からも「酒呑」として大切に伝世されてきた様子が窺えます。
天龍寺青磁
天竜寺青磁とは元時代末期から明時代初期に龍泉窯で焼成された青磁です。
名称の由来は南北朝時代に天龍寺造営を名目とする貿易船「天龍寺船」によって、
この種の青磁が大量に舶載された事や、
夢窓疎石が天龍寺に伝えた浮牡丹手の香炉からという説があります。
龍泉窯における青磁も元時代には総体に大きくなり、
失透性の緑色を帯びた釉薬が厚く施されているのが特徴です。
砧青磁は無文様を基調としていましたが、
天龍寺青磁は加飾を求める一般の風潮を受け、
劃花や印花の施された物が大量生産されました。
鉄斑文を釉面上に飛ばした「飛青磁」も天竜寺青磁を特徴付ける加飾法です。