繊細な厳しい造形を示す鹿鳴図壺です。明・清時代の景徳鎮磁器に多数の鹿が描かれた「百鹿文」が知られており、民族が受け継ぎ発展させて来た美を独自の感性で磨き上げています。「鹿鳴」にはおもてなしの心が込められており、大切なお客様をお招きする室礼、一期一会という想いを感じる事ができます。比類なき細密描写は他の追随を許さない超絶技巧で、凛とした優美な佇まいは空間を昇華させる魅力を秘めています。
- 作者
- 葉山有樹
1961(昭和36)年生
- 重量
- 1,105g
- 胴径
- 20.5cm
- 口径
- 3.2cm
- 高さ
- 12.6cm
- 底径
- 6.3cm
- 次第
- 共箱
共布
栞
- 状態
- 完品
良好な状態を保っています。
葉山有樹氏は古今東西の文様から紡ぎだした独自の物語を、
超人的な技術で緻密に表現するアーティストです。
鹿は餌を見つけると仲間を呼んで一緒に食べます。
「鹿鳴」には賓客を招いて宴会をするという意味があります。
頸には赤地に染付で「無盡蔵」と記されています。
物が豊富にある事を示す縁起の良い言葉です。
高台内に「有樹」銘が記されています。
葉山有樹 1961(昭和36)年生
葉山有樹は佐賀県に生まれました。
1975(昭和50)年、佐賀県有田町の窯元で修業しました。
1985(昭和60)年、佐賀県武雄市山内町に「葉山有樹窯」を開窯しました。
1990(平成2)年、福岡全日空ホテルで初の個展を開催しました。
1991(平成3)年、東京アメリカンクラブで「細密画の世界 葉山有樹展」を開催しました。
ウラク(有楽町マリオン)メインギャラリーに出展しました。
1998(平成10)年、O・A・G東京ドイツ文化センターで展覧会を開催しました。
2004(平成16)年、福岡国際フォーラムで「文様の変遷」を講演しました。
2005(平成17)年、新日本教育図書より「詩想の旋律 葉山有樹作品集」を出版しました。
2007(平成19)年にスパイラルガーデン(東京)で「A Pattern Odyssey YUKI HAYAMA展」を開催しました。
「A Pattern Odyssey 文様をめぐる450万年の旅」を出版しました。
フィンランド・ヘルシンキのデザインミュージアムで「葉山有樹展 Ceramic Stories」を開催しました。
フィンランド・イッタラ社・アラビア窯のアートデパートメントで滞在作成しました。
2008(平成20)年、絵本「魚になった少女」を出版しました。
小説「神話の波紋‐玻璃と剣‐」を出版しました。
横浜山手西洋館で「日仏友好150周年記念展」を開催しました。
2009(平成21)年、ドイツ光学機器エッシェンバッハ社プロダクトに参加しました。
2010(平成22)年、文芸書「空飛ぶだんごむし」を出版しました。
2012(平成24)年、短編小説「種子集」を出版しました。
文様の根源となる古典研究を重ね、単に伝統文様として描き写すのではなく、
その文様の本来の意味や歴史を踏まえた上に独自の感性が加えられています。
前人未到といわれる比類ない細密描写で精緻を極めた圧巻の美は、
国内に留まらず海外でも高い評価を受けており、
陶芸の枠を超えたアーティストとして、絵本や小説も手掛けています。