銀色の煌めきが満天の星を象徴するかのような高雅で幻想的な盃です。触れると切れそうな程の鋭く厳しい造形に艶を帯びた黒釉がたっぷりと掛かり、見込みには微かに虹彩を覗く事ができます。
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- 商品コード
- 230301-1
- 作者
- 清水卯一
1926(大正15)年~2004(平成16)年
人間国宝
- 重量
- 71g
- 口径
- 8.0cm
- 高さ
- 3.9cm
- 底径
- 2.1cm
- 次第
- 共箱
共布
- 状態
- 完品
使用感のない良好な状態を保っています。
清水卯一 1926(大正15)年~2004(平成16)年
清水卯一は京焼陶磁器卸問屋・清水卯之助の長男として京都市東山区に生まれました。
1940(昭和15)年に立命館商業学校を中退し、石黒宗麿に師事しました。
短期間でしたが、その精神性に深い感化を受け、中国宋磁の端正な古典美に開眼しました。
後に京都国立陶磁器試験場の伝習生を経て京都市立工業研究所窯業部に勤務しましたが、
1945(昭和20)年に京都五条坂に開窯して陶芸家としての頭角を現していきます。
1948(昭和23)年に「四耕会」、
1949(昭和24)年に「緑陶会」を結成しました。
1950(昭和25)年、京都市美術展で市長賞を受賞しました。
京都陶芸家クラブ新作陶展で最優秀賞を受賞しました。
1951(昭和26)年、京都府工芸美術展で最優秀賞を受賞しました。
1953(昭和28)年、現代工芸連合展で奨励賞を受賞しました。
1954(昭和29)年、京都陶芸家クラブ展でクラブ賞を受賞しました。
1955(昭和30)年、日本陶磁協会賞を受賞しました。
昭和30年代は柿釉と油滴作品を中心に作陶しました。
1958(昭和33)年、日本工芸会正会員となりました。
日本伝統工芸展で奨励賞を受賞しました。
1959(昭和34)年、ブラッセル万国博覧会でグランプリを受賞しました。
1960(昭和35)年に日本伝統工芸展で日本工芸会総裁賞を受賞しました。
1961(昭和36)年、柿天目壷が皇居吹上御殿用に買い上げられました。
1962(昭和37)年、プラハ国際陶芸展で金賞を受賞しました。
日本伝統工芸展で朝日新聞社賞を受賞しました。
1963(昭和38)年、日本伝統工芸展鑑査委員に就任しました。
ワシントン国際陶磁器展で銀賞を受賞しました。
1964(昭和39)年、日本工芸会理事に就任しました。
1967(昭和42)年、イスタンブール国際陶芸展でグランプリを受賞しました。
1969(昭和44)年、皇居新宮殿に柿釉壷を制作しました。
1970(昭和45)年、バロリス国際陶芸ビエンナーレ展で名誉参加賞を受賞しました。
滋賀県滋賀郡志賀町の蓬萊山麓に「蓬萊窯」を開窯して京都から移住しました。
蓬萊山麓の原料を用いた作品には青白磁「蓬萊磁」、天目釉「蓬萊燿」、黄色「黄蓬萊」等、
蓬萊に因んだ名称が付けられています。
1973(昭和48)年、日本伝統工芸展で二十周年記念特別賞を受賞しました。
1977(昭和52)年、日本陶磁協会賞金賞を受賞しました。
1985(昭和60)年、重要無形文化財「鉄釉陶器」の保持者(人間国宝)に認定されました。
1986(昭和61)年に英国皇太子御夫妻ご来日の際に京都市伝統産業会館にて特別実演を行い、
外務省の要請により蓬莱燿茶碗を献上しました。
紫綬褒章を受章しました。
1987(昭和62)年、日本工芸会陶芸部会長に選出されました。
黒白の対比に加えて文字や線条を指で掻き落とした「鉄燿白流」等の作品を発表しました。
1988(昭和63)年、京都府文化功労賞を受賞しました。
1992(平成4)年、京都市文化功労者として表彰を受けました。
1995(平成7)年、紺綬褒章を受章しました。
1998(平成10)年、京都府文化賞特別功労賞を受賞しました。
勲四等旭日小綬章を受章しました。
中国・宋時代の鉄釉陶器を基盤に近代的感覚を加味した気品ある鮮麗な作行は、
枯淡な中にも大胆さが感じられ、極めて高い評価を受けています。