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 天平堂

美術品は作家の手を離れるプライマリー(第一次マーケット)を起点とし、コレクターによる蒐集を経て、
セカンダリー(第二次マーケット)へと移行しながら、美術業界の中で流通していきます。

プライマリー

(第一次マーケット)

プライマリー(第一次マーケット)

現存作家を例に挙げると、最新作が発表される場は、一般的にギャラリーや百貨店、アートフェアといった一次流通の担い手です。これらの機関が展覧会を企画し、作品を世に送り出す領域が「プライマリー(第一次マーケット)」と呼ばれます。プライマリーにおける価格設定は、作家としての活動年数、制作に要した時間や材料費、発表のための出店費用や人件費、販促にかかる諸経費など、複数の要素を総合的に勘案して決定されます。作家の実績や人気が高まれば価格が上昇する傾向はありますが、その動きが必ずしも需要と供給の実態を正確に反映しているとは限りません。

メリット

  • 作家のセカンダリー価格が上昇した際には、プライマリー価格で迎えた作品が思いがけない価値をもたらすことがある。
  • 作品を通じて作家の成長を見守り、その歩みをともにするという、コレクターならではの豊かな愉しみがある。

デメリット

  • 作家の評価が確立するまでには相応の年月を要するため、即効性を求める資産運用の考え方とは相性がよくない。
  • 作家が必ずしも名声を得るとは限らず、期待した成長が実現しない場合もある。
プライマリー(第一次マーケット) プライマリー(第一次マーケット)

セカンダリー

(第二次マーケット)

セカンダリー(第二次マーケット)

プライマリーで世に出た作品が一度コレクターの手に渡った後、新品ではなく中古として扱われる流通領域が、私たち古美術商が属する「セカンダリー(第二次マーケット)」です。この市場は大きなピラミッドを成し、上層に行くほど美術品としての価値が重んじられ、下層に行くほどリサイクル品としての性格が強まります。アートの世界では、中古であっても状態が良好であれば価値が損なわれるとは限らず、多くの作品がこのセカンダリーで取引されています。物故作家の作品や古美術品は、すべてこの領域に含まれます。セカンダリー作品の取得手段として最も一般的なのがオークションです。オークションは需要と供給の均衡によって価格が定まり、人気が加わることで大きく値が動くことがあります。時には、会場の熱気の中で競合同士が競り合い、数億、数十億という想定を超えた価格に達することもあります。その価格が必ずしも作品の本質的価値を示すわけではありませんが、プライマリーよりも市場の実態を反映した値付けであることは確かです。

セカンダリー(第二次マーケット)

プライマリーで世に出た作品の多くは、セカンダリーに移る段階で価格が落ち着く傾向にあります。しかし、草間彌生氏や奈良美智氏のように世界的な評価を確立した作家の作品は、供給を上回る需要が生まれ、特に一点物のペインティングでは、セカンダリーでの価格が常識を超える水準に達しています。セカンダリーでは経済状況が美術品の価格形成に大きく影響します。日本のバブル期には需要が供給を大きく上回り、各分野で異常な高値が続きましたが、崩壊後には大幅な調整が入り、特殊な日本美術を除いてその影響が現在も残っています。一方、中国美術の分野は世界規模のマーケットを背景に根強い需要があり、ミュージアムピース級の作品は驚異的な高額落札を繰り返しています。近年ではセカンダリー価格の上昇がさらに加速し、オークションの最高落札額を更新する出来事が世界的な話題となっています。Christie’sやSotheby’sといったトップオークションハウスに取り上げられるためには、専門家による厳格な審査を通過する必要があり、その基準を満たした作品のみが世界市場へと送り出されます。

メリット

  • プライマリーに比べて価格が抑えられるため、より現実的な条件で作品を迎えることができる。

デメリット

  • 真贋判定には専門的な知識が不可欠であり、誤った判断を下すリスクがある。信頼性の高いオークションハウスや専門性を備えた優良店を選ぶことで、そのリスクは確実に抑えられる。
セカンダリー(第二次マーケット) セカンダリー(第二次マーケット)