古美術 天平堂

桐箱

Wooden Box

桐箱について

古来より日本では女児が産まれると桐を植え、
婚礼時には娘の幸せを願い、
嫁入り道具として桐箪笥を誂えるという風習がありました。
調湿性や耐火性に優れて防虫効果があり、軽くて加工しやすい事から、
美術品を収める箱や箪笥素材としても今日まで広く愛用されています。
一口に桐と言っても国産の和桐、アメリカ桐、中国桐等と産地によって品質も異なり、
温暖な地域は年輪幅が広くて肥大成長しますが、
寒冷な地域では成長が遅い事から年輪幅が密で細かくなります。
箱の仕様も組箱、印籠箱(薬籠箱)、二方山、四方山、盛蓋等と多岐に亘ります。


印籠箱(薬籠箱)

弊店で制作依頼する最高級仕様の桐箱(八方面印籠箱)です。
本体の上部に段差を付け、蓋を被せる形状で、印籠の形に似ている事からの名称です。

八方面印籠箱-1 八方面印籠箱-2 八方面印籠箱-3


張込箱

桐箱制作後に専門の張込職人さんに特注して仕上げる内箱仕様です。
すっきりとした内観で作品の収納がスムーズにでき、破損リスクを軽減できます。
弊店でお求め頂きました作品に限り、張込箱作成のご相談も承らせて頂きます。

張込箱-1 張込箱-2


組箱

胴部分を組んだ仕様の桐箱です。

組箱


盛蓋

蓋の上面が丸く盛り上がった仕様の蓋です。

盛蓋


四方桟蓋

蓋の裏面の四方向に桟が付けられた仕様の蓋です。

四方桟蓋


二方桟蓋

蓋の裏面の二方向に桟が付けられた仕様の蓋です。

二方桟蓋


塗箱

主に元箱や共箱を保護する為の二重箱に使用されます。

塗箱


弊店が取り扱う作品への思い

茶道具の次第として欠かす事のできない元箱や、近代工芸には不可欠な共箱等、
日本には古来より大切な物を箱に収納するという文化が根付いています。
古陶磁に属する鑑賞陶器は茶道具と異なり、
古い元箱が付属しておらず、作品のみを入手するケースも多々あります。
「器は料理の着物」という一節をかの北大路魯山人が残したように、
弊店では取り扱い作品に箱が付属していない場合、
思いや敬意を込めて桐箱を特注にて新調させて頂いております。
(桐箱代は商品価格に含んでおります)


協力:株式会社 増田桐箱店

福岡県古賀市にある老舗の桐箱店です。
弊店で桐箱を新調する際に利用させて頂いております。
http://www.kiribako.jp/special-jp.html(外部リンク)

増田桐箱店-1 増田桐箱店-2 増田桐箱店-3 増田桐箱店-4 増田桐箱店-5 増田桐箱店-6


真田紐の結び方

真田紐は茶道具の箱紐として最も好まれており、
関ヶ原の戦いで敗れて蟄居していた真田昌幸によって制作されたという俗説がありますが、
発祥はもっと古い時代であると推測されています。
下記は「四方左掛け」という真田紐の結び方です。

真田紐-1 真田紐-2 真田紐-3 真田紐-4 真田紐-5 真田紐-6 真田紐-7 真田紐-8 真田紐-9 真田紐-10