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 天平堂

香炉

Incense Burner

香炉とは香を焚く為に用いる香道具としての容器です。
金属製と陶磁器が大部分を占め、目的や場所により用いられる大きさ、形、意匠が異なります。
江戸初期から仏前を荘厳にする時、賓客を迎える時、香道の時に香を焚く風習が流行し、
大名、武士、富裕階級には欠かす事のできない道具でした。


千鳥香炉

千鳥香炉とは口寄せ三足の筒形香炉です。
本歌の千鳥香炉は徳川美術館蔵で著名な龍泉窯の砧青磁等が知られています。
名称の由来は今川氏真が織田信長に献上した香炉を千鳥の古歌にて銘とした説、
細川幽斎が所持した千鳥香炉を「月夜に千鳥は不似合い」という順徳帝の御歌になぞらえて、
蒲生氏郷に見せるのを嫌った事からの説、
石川五右衛門が豊臣秀吉の寝所に忍び入った際に、
香炉の蓋に付けられた千鳥が鳴いたという故事による説、
三足が少し浮き上がっている為に千鳥が片足を上げた姿になぞらえる事からの説、
千利休所持の香炉を妻・宗恩が不揃いの足を一分切り詰めた事からの説等が知られています。

千鳥香炉-1
千鳥香炉-2

袴腰香炉

袴腰香炉とは鍔縁の口造りで腰に膨らみがある三足の鼎形香炉です。
腰に僅かに段を設け、段から足に各一筋ずつ縦の鎬が入り、
その形状があたかも袴を腰に付けたかのような趣である事からの名称です。
元来は中国古代の祭器である鬲を模した形であり、
砧青磁に代表されます。


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