風炉
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風炉
風炉とは席中で火を起こし、湯を沸かす為に用いる茶道具です。
土風炉、唐銅風炉、鉄風炉、木製の板風炉等があります。
茶道での風炉の始まりは1267(文永4)年に南浦紹明が中国からの帰朝に際し、
唐銅鬼面風炉が台子皆具の一つとして、博多の崇福寺に伝来し、後に大徳寺に伝わったとされています。
元来は釜に対して専用の風炉が造られており、現在も切り合わせの風炉釜は真の点前で用いられます。
時代を経る事にあらゆる風炉と釜の取り合わせが重視されるようになりました。
窶風炉
窶風炉は風炉の形状の一つで、「欠風炉」、「破風炉」とも呼ばれており、
朽ちた鉄風炉の風情を茶人が景色として見出し、
釜師が腐食した口や肩を金槌等で欠いたり、割れを鎹で継いだりしています。
鉄は錆びて朽ちるという性質や宿命にありますが、
日本人は「朽ち行くものへの美」という強い意識を持っており、
10月の名残りの時期に使用されます。
大きな鬼面風炉の形が多く、元来は釜と切り合わせであったものを、
風炉の上端を打ち砕いて欠き、五徳を入れて、異なった釜を掛けるようになったと云います。
江戸中期以降は最初から窶風炉として造る事が多いです。