井戸ぐいのみ(細川護光)
16,500円(税込)
品位ある井戸ぐいのみです。胴にめぐる轆轤目、枇杷色の変化ある景色、高い竹節高台、よく表れた梅花皮と見事な出来栄えを示しています。最後の1客です。
- 作者
- 細川護光
1972(昭和47)年生
- 重量
- 79g
- 口径
- 7.8×7.6cm
- 高さ
- 5.3cm
- 底径
- 3.1cm
- 次第
- 共箱
- 状態
- 新品
細川護光 1972(昭和47)年生
東京都で生まれ、熊本市で幼少期を過ごす。
1999(平成11)年 三重県伊賀市の「土楽窯」7代福森雅武氏に師事。
2006(平成18)年 熊本市「泰勝寺跡」にて開窯。
2007(平成19)年 熊本県南阿蘇村久木野にも築窯。
2008(平成20)年 京都にて初個展。以降、全国各地で個展を開催。
樂、信楽、高麗等を手掛け、永青文庫の理事も務める。
井戸
井戸とは高麗茶碗の一種です。
作行の相違から「大井戸」、「小井戸」、「青井戸」、「小貫入」等に区別されており、
井戸に準ずる一連の高麗茶碗は「井戸脇」と呼ばれています。
名称の由来については人物名や地名等の様々な諸説がありますが、
他の高麗茶碗と同様に定かではありません。
焼成された窯の所在や年代等の確証は定かではありませんが、
15~16世紀頃に慶尚南道付近の民窯で焼成された物と推測されています。
「一井戸、二楽、三唐津」と謳われるように高麗茶碗の最高位とされており、
古くから賞翫されてきた為か日本に伝来する井戸茶碗の数は比較的多いです。
村田珠光や千利休によって侘び茶が大成される中で高麗茶碗の受容は進んでいきますが、
中でも井戸茶碗は室町~桃山時代にかけて日本に請来され、
無作為の姿形や景色が侘びの茶風に適うものとして格別の存在になっていきました。
大らかで枯淡な美を見出して茶の湯に取り上げた茶人達の見立ての眼力や執着には、
並々ならぬものがありました。
16世紀末の天正年間末期には既に天下一の評価を受けていたとされ、
それだけに大名家の所蔵品に帰する物も多く、
所有者の名前を銘とする井戸茶碗が多いのも頷けます。