深いオリーブグリーンの翠色を放つ龍泉窯の天龍寺青磁です。幾重にも厚く施された青磁釉が古格と重厚感を醸し出しており、見込みの花文がアクセントになっています。寄向付の一種としても楽しむ事ができます。舶来された荘厳な唐物は高級美術品として多くの人々を魅了してきました。
- 時代
- 明時代初期
15世紀
- 重量
- 400g
- 口径
- 15.3cm
- 高さ
- 4.7cm
- 底径
- 7.6cm
- 次第
- 桐箱
- 状態
- 完品(無傷)
見込みに経年による使用感がやや見られますが、良好な状態を保っています。
天龍寺青磁
天竜寺青磁とは元時代後期から明時代中期に龍泉窯で焼成された青磁です。
名称の由来は南北朝時代に天龍寺造営を名目とする貿易船「天龍寺船」によって、
この種の青磁が大量に舶載された事や、
夢窓疎石が天龍寺に伝えた浮牡丹手の香炉からという説があります。
龍泉窯における青磁も元時代には総体に大きくなり、
失透性の緑色を帯びた釉薬が厚く施されているのが特徴です。
砧青磁は無文様を基調としていましたが、
天龍寺青磁は加飾を求める一般の風潮を受け、
劃花や印花の施された物が大量生産されました。
鉄斑文を釉面上に飛ばした「飛青磁」も天竜寺青磁を特徴付ける加飾法です。