古美術 天平堂

古染付鳥文桃形向付(明時代末期)

御売却済

日本の茶人より懐石道具(向付)として注文された茶陶の古染付です。肉取りが厚い吉祥の桃形に鮮やかな染付で桃の木に止まる鳥文が描かれています。類似品に桃を採る猿の様子を順次時間的に追っている作品が知られており、現品の逆さに描かれた鳥も何かしらの意図があったのか、遊び心なのかを考えるのも一興です。

商品コード
220903-6

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時代
明時代末期
17世紀前半
重量
300g
口径
15.3×13.4cm
高さ
4.7cm
次第
桐箱
状態
完品(縁に虫喰があります)

地肌や染付の発色、焼き上がりも理想的です。見込みに窯疵がありますが、問題ありません。


年表(明時代)


古染付

古染付とは明時代末期の天啓年間(1621~27)を中心に景徳鎮民窯で焼成された染付です。
特に日本向けの作品で遺例も日本に多いです。
新渡りと呼ばれる清時代の染付に対し、古式に属する古渡りの染付との意味合いで、
独特の様式を持つ一群が「古染付」と独立して呼ばれるようになりました。
日本の茶人からの注文品である茶陶と日用品とに大別されており、
茶陶としての古染付は日本人に親しまれた陶胎の厚さに因んでか総体に肉取りが厚いです。
明時代末期頃は日本の茶人が新奇な茶道具を注文焼成させる風潮が盛んであった時期で、
其々に好みの茶道具が発注されました。
古染付の多くは素地と釉薬の収縮率の相違から釉薬が剥落して胎土を露しています。
まるで虫が喰ったように見えるその様子からこの現象を「虫喰」と呼びます。
口縁や角部等の釉薬が薄く掛かった所に虫喰が多く見られるのも特徴の一つです。
通常の焼物としては欠点対象にさえ成り得るものですが、
茶人はここに自然の雅味を見出して喜び、粗笨な味わいを美的効果として評価しました。


古来より桃は延命長寿の仙果、邪気を祓う霊果として珍重され、
吉祥文様としても用いられています。
「桃の花」は春の季語、「桃の実」は秋の季語です。
崑崙山の仙女・西王母が棲む地には桃の木があり、
三千年に一度しか実らない不老長寿の桃の実を漢の武帝に贈った「西王母伝説」を始め、
『古事記』にはイザナギが黄泉の国から逃げ帰る時、
黄泉醜女を桃で追い払ったという説話があります。