古美術 天平堂

古染付芙蓉手花鳥文兜鉢(明時代末期)

御売却済

鮮やかな青色を放つ上手の古染付です。堂々たる佇まいに品位が醸し出ており、菓子鉢として伝世されてきた様子が時代箱からも伺えます。

商品コード
220711-12

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時代
明時代末期
17世紀前半
重量
381g
口径
22.1cm
高さ
6.1cm
底径
10.4cm
次第
時代箱
状態
完品(縁に虫喰があります)

厳しい造形、美しい染付、焼き上がりも秀抜で、一切痛みがない最高の状態を保っています。


年表(明時代)


古染付

古染付とは明時代末期の天啓年間(1621~27)を中心に景徳鎮民窯で焼成された染付です。
特に日本向けの作品で遺例も日本に多いです。
新渡りと呼ばれる清時代の染付に対し、古式に属する古渡りの染付との意味合いで、
独特の様式を持つ一群が「古染付」と独立して呼ばれるようになりました。
日本の茶人からの注文品である茶陶と日用品とに大別されており、
茶陶としての古染付は日本人に親しまれた陶胎の厚さに因んでか総体に肉取りが厚いです。
明時代末期頃は日本の茶人が新奇な茶道具を注文焼成させる風潮が盛んであった時期で、
其々に好みの茶道具が発注されました。
古染付の多くは素地と釉薬の収縮率の相違から釉薬が剥落して胎土を露しています。
まるで虫が喰ったように見えるその様子からこの現象を「虫喰」と呼びます。
口縁や角部等の釉薬が薄く掛かった所に虫喰が多く見られるのも特徴の一つです。
通常の焼物としては欠点対象にさえ成り得るものですが、
茶人はここに自然の雅味を見出して喜び、粗笨な味わいを美的効果として評価しました。


芙蓉手

芙蓉手とは万暦年間(1573~1620)に景徳鎮民窯で創始された青花磁器の様式です。
盤の見込み中央に円窓を大きく設けて、区画分けした周囲に花弁状の窓を描いている構成が、
芙蓉の花弁を連想させる事から日本で名付けられた呼称とされています。
東南アジア、オリエント、欧州等の求めに応じた中国磁器の代表的意匠で、
明時代末期の天啓~崇禎年間(1621~44)頃を中心に焼成されました。
芙蓉手の主な器種は盤ですが、
中にはケンディや瓶のような器形も知られています。