古美術 天平堂

唐三彩高杯(唐時代)

1,200,000

長安や洛陽の王侯貴族を魅了した優麗華美な唐三彩。各釉の接触部分が互いに融合し、幽玄な景色が創出された一級品です。当時の日本においても、唐三彩への憧れから奈良三彩が生み出されました。冴え渡る艶やかな三彩釉(白、緑、褐)は盛唐時代の時を超え、人々を豊かな気持ちへと誘ってくれます。同形品が東京国立博物館に確認できます。

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商品コード
220108-5

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時代
唐時代
8世紀
重量
201g
口径
12.9cm
高さ
6.4cm
底径
7.5cm
次第
桐箱(壺中居 箱)
状態
完品(無傷)

洗練された厳しい造形、美しい釉色、優れた状態と一級品の条件を満たしています。


唐三彩

唐三彩とは盛唐時代に長安(唐の都)や洛陽(唐の副都)近傍の窯で焼成された三彩陶器です。
朝鮮や日本(奈良・大安寺跡、九州・沖ノ島等から三彩陶片が出土)にも齎されていますが、
原則として明器(副葬品)であり、日常に使用される事はありませんでした。
先人を敬って死者を手厚く葬る風習は墳墓を華やかに装飾しました。
長安(現在の西安)が帝都であった盛唐時代は、
当時の世界一、二位を占める程の大都会で貴族階級の本拠地でした。
唐三彩の出土例の殆どは長安や洛陽近傍の唐時代の墳墓に限られており、
都や周辺に居住していた王侯貴族や高級官僚の需要に応じました。
白化粧を行った白胎を用いる事で彩釉が映え、
基本的には轆轤成形ですが、異形には土型が用いられています。
釉薬は乾燥させた器表に生掛けされます。
施釉は白胎に透明釉を施し、白い基礎地を成立させる事から始まり、
美しい鉛釉を施して低火度焼成します。
基本的には三色(白、緑、褐)ですが、藍色が加わった「藍彩」、
二色だけの物も「唐三彩」と総括されています。
低火度鉛釉は漢時代の緑釉や褐釉の系譜を引いており、
色釉が流れたり滲んだりするのは基礎釉が焼成中に下地熔液となる為です。
各釉は別々に塗り分けられますが、
接触部分は互いに融合して華やかな彩色を表現します。
唐三彩は低火度鉛釉陶の関係上、
光を反射して「ラスター」と呼ばれる七色の美しい輝きを放ちます。
人物を模った製品の中でも婦人俑は人気があり、
樹下美人に代表される豊頬肥満の女子は造形的にも優れています。
一方、痩身の女子は何らかの職務を現している事が多いです。
男性を模った土偶は女性よりも種類が多く、
肥満体の貴公子風の俑も見られますが、
文官、武人、胡人(中国北方・西方の異民族)が一般的です。
動物を模った製品の中で最も美しい彫琢を見せるのは馬と駱駝です。
唐時代は西方の名馬が続々に輸入されたと伝えられますが、
土偶造形にもその美しい容姿が反映して、多くの優品が生み出されました。
国際都市故に長安は流砂を越えてきた多くの駱駝が見られ、
この大きく特異な体形は絶好の土偶対象になりました。
その他にも牛等が造られていますが、
馬や駱駝の様な単独像というよりも二輪乗用車に欠かせぬ動力だった為か、
多くは車を引く形で表現されています。
唐三彩は自国の「遼三彩」や日本の「奈良三彩」を始めとし、
「新羅三彩」、「渤海三彩」等と周辺諸国の窯業に大きな影響を与えました。