古美術 天平堂

古染付鹿文香炉(明時代末期)

御売却済

臼形の珍しい器形に五匹の鹿文が描かれた日本からの注文品です。唐銅の火舎に紅葉を模って鹿紅葉とする等、大切に伝えられてきた経緯が垣間見れます。類似品が京都国立博物館に確認できます。

⇒ 京都国立博物館(外部リンク)

時代
明時代末期
17世紀前半
状態
完品(縁に虫喰があります)
重量
376g
胴径
10.3cm
高さ
6.9cm
底径
7.0cm
次第
火舎
時代箱(印籠箱)
類似品
『古染付 鑑賞編』、京都書院、P34~35、No26.
商品コード
210204-4

古染付

古染付とは明時代末期の天啓年間(1621~27)を中心に景徳鎮民窯で焼成された染付です。
特に日本向けの作品で遺例も日本に多いです。
新渡りと呼ばれる清時代の染付に対し、古式に属する古渡りの染付との意味合いで、
独特の様式を持つ一群が「古染付」と独立して呼ばれるようになりました。
日本の茶人からの注文品である茶陶と日用品とに大別されており、
茶陶としての古染付は日本人に親しまれた陶胎の厚さに因んでか総体に肉取りが厚いです。
明時代末期頃は日本の茶人が新奇な茶道具を注文焼成させる風潮が盛んであった時期で、
其々に好みの茶道具が発注されました。
古染付の多くは素地と釉薬の収縮率の相違から釉薬が剥落して胎土を露しています。
まるで虫が喰ったように見えるその様子からこの現象を「虫喰」と呼びます。
口縁や角部等の釉薬が薄く掛かった所に虫喰が多く見られるのも特徴の一つです。
通常の焼物としては欠点対象にさえ成り得るものですが、
茶人はここに自然の雅味を見出して喜び、粗笨な味わいを美的効果として評価しました。

明時代(年表)


鹿(文様)

鹿は神の使いとして神社に飼われる事もあり、
角は雄のみにあって毎年生え変わります。
中国では1000年で「蒼鹿」、1500年で「白鹿」、2000年で「玄鹿」になるとの伝説があり、
長寿の仙獣とされています。
寿老人には玄鹿を伴う表現が多いです。
又、福禄寿の「禄」と同音同声である為、文字の上からも長寿の象徴とされています。
明・清時代の磁器には多数の鹿が描かれた「百鹿文」が知られています。
日本においては平安時代に鹿と紅葉を組み合わせる文様が生まれ、
後に和様意匠として長く用いられる事になりました。