古美術 天平堂

古染付吹墨魚形向付(明時代末期)

400,000

鯉を模った同形でも大きな寸法の傑出した作例です。日本の茶人により注文された型物向付で「吹墨」の技法も併用されています。手に取って裏を見る事を想定しているかのように裏面にも装飾が施されており、これは一つのブランドとして認識されています。鑑賞用の他に寄向としてもお楽しみ頂けます。類似品が石洞美術館に確認できます。

⇒ 石洞美術館(外部リンク)

時代
明時代末期
17世紀前半
状態
完品(縁に虫喰があります)
重量
215g
23.7×9.4cm
高さ
3.8cm
次第
桐箱
類似品
『陶磁大系44 古染付 祥瑞』、平凡社、No6.
商品コード
210202-8

古染付

古染付とは明時代末期の天啓年間(1621~27)を中心に景徳鎮民窯で焼成された染付です。
特に日本向けの作品で遺例も日本に多いです。
新渡りと呼ばれる清時代の染付に対し、古式に属する古渡りの染付との意味合いで、
独特の様式を持つ一群が「古染付」と独立して呼ばれるようになりました。
日本の茶人からの注文品である茶陶と日用品とに大別されており、
茶陶としての古染付は日本人に親しまれた陶胎の厚さに因んでか総体に肉取りが厚いです。
明時代末期頃は日本の茶人が新奇な茶道具を注文焼成させる風潮が盛んであった時期で、
其々に好みの茶道具が発注されました。
古染付の多くは素地と釉薬の収縮率の相違から釉薬が剥落して胎土を露しています。
まるで虫が喰ったように見えるその様子からこの現象を「虫喰」と呼びます。
口縁や角部等の釉薬が薄く掛かった所に虫喰が多く見られるのも特徴の一つです。
通常の焼物としては欠点対象にさえ成り得るものですが、
茶人はここに自然の雅味を見出して喜び、粗笨な味わいを美的効果として評価しました。

明時代(年表)


吹墨

吹墨とは呉須を霧吹き状に吹き掛ける装飾技法です。
線書きや濃みではできない濃淡やグラデーションを表現する事ができます。
明時代末期の古染付が起源とされ、
初期伊万里においても影響を色濃く受けて再現されました。