古伊万里色絵麒麟文鉢

¥200,000

荒波を滑走する麒麟文を主題とした古伊万里です。緩やかな曲線を描くフォルムが美しく、しっかりと削り出された高台に目を奪われます。見込み周囲には唐花文と濃淡を駆使した赤絵で毘沙門亀甲に四方襷地紋が丁寧に表現されています。蓋甲に「文化四年(1807年)」と入手時に記したと思われる時代箱も嬉しいです。

在庫あり

時代江戸中期(18世紀前半)
状態完品
口径18.6cm
高さ9.4cm
底径8.0cm
次第時代箱(杉箱)
商品コード: 191007-3 商品カテゴリー:

説明

古伊万里

 古伊万里とは江戸中期に肥前有田で焼成された磁器です。
型物に代表される国内向けの作品も知られていますが、
異国趣味をかきたてる様々な品種の輸出作品を主体としていました。
景徳鎮磁器に代わって有田磁器が世界市場を確保すると、
品質の高い作品を量産できるよう熟練した職人による分業体制が確立されました。
染付に色絵と金彩を多用して絢爛の限りを尽くした「金襴手」は古伊万里の主体を成し、
元禄年間(1688~1704)の繁栄を示すが如く優麗華美な世界を展開しました。
元来は明時代後期の嘉靖年間(1522~66)に景徳鎮民窯が完成させた装飾技法として知られ、
金箔を貼って焼き付けるという華麗な精作です。
王侯貴族間では宮殿室内を磁器で装飾する「磁器の間:porcelain room」が、
権力や富の象徴として流行しました。
欧州に齎された磁器は棚や壁に飾る美術品であると共に接客用の室内調度品でもある為、
使用によって色絵や金彩が擦れた作品も多く見られます。
「オールド・イマリ」、「オールド・ジャパン」、「イマリヤキ」という呼称は、
現在も国内外の愛陶家・蒐集家に交わされる肥前磁器の愛称です。

古伊万里

型物・献上古伊万里

 濃艶な配色に金襴手を主とした最上級の古伊万里を型物や献上古伊万里と呼びます。
型物とは型で成形された器という意味ではなく、
一定の高い水準に位置する名品を指します。
純然に将軍家や諸大名に献上する用途として焼成された訳ではありませんが、
それ程に高級で日常における実用品ではないという意味が込められています。
大量生産された輸出古伊万里とは異なる逸品制作的な性格を持ち合わせており、
国内需要向けの大名や豪商を中心とする購買層を狙った作品です。
細密入念な構図で多くが文様的意匠によって構成されています。
五艘船、琴高仙人、荒磯、赤玉雲龍、寿字、宝尽、姫皿、弓破魔等が著名で、
コレクションや茶の湯の菓子鉢として今日に至るまで珍重されています。
型物に準ずる作品は準型物と呼ばれており、何れも高い声価を受けています。
最盛期の元禄年間(1688~1704)を過ぎても、
型物のスタイルは伊万里の主要な生産品目になりました。

絵文様の解説

 麒麟は聖人が出て善政をしく前に現れると伝えられる想像上の瑞獣です。
古来中国では鳳凰、霊亀、応竜と共に「四霊(四瑞)」の一つとして尊崇されました。
体は鹿、尾は牛、蹄は馬、額は龍に似て頭上には一本の角があり、
背毛は五彩で体毛は黄色です。
名称に雌雄の区別があって雄の麒麟を「麒」、雌の麒麟を「麟」とします。