藍九谷蛇籠波文変形皿

¥150,000

蛇籠に流水が陽刻と染付の濃淡によって立体的に表現されています。特筆すべきは鍋島を髣髴とさせる墨弾きであり、技術の粋が器の隅々にまで行き届いています。

在庫あり

時代江戸前期(17世紀後半)
状態完品
口径15.8×12.2cm
高さ3.0cm
底径9.6×6.2cm
次第桐箱
類似品『柴田コレクション(Ⅵ)‐江戸の技術と装飾技法‐』
佐賀県立九州陶磁文化館、P83,No121.
商品コード: 180831-1 商品カテゴリー:

説明

古九谷様式

 古九谷様式とは江戸前期に肥前有田で焼成された伊万里焼の様式です。
1640~50年代になると染付を中心とした伊万里焼に色絵技法が導入され、
この目覚しい技術革新で初期伊万里が新たに発展した古九谷様式へと変貌を遂げました。
中国の模倣に始まった色絵磁器が日本独自の展開を見せ、
茶人好みの作品も多く造られました。
絵付けが格段に良くなった作品も見られるようになり絵師の参加も窺えます。
在銘作品も飛躍的に増え、「角福」、「誉」等の様々な銘款が用いられました。
皿類の高台幅が広くなった事から焼成中に高台内の底部が垂れるのを防ぐ為、
磁胎と同じ材質で作られたハリという円錐状の支えを付ける手法が普及します。
色絵古九谷は欧州人の好みに不向きであった為か殆ど輸出されておらず、
国内の需要に応じて制作されたと推測されています。
古九谷様式も後半期には柿右衛門様式を思わせるような薄造りとなり、
絵文様も細密化していきます。

肥前年表(古九谷様式)

墨弾き

 染付磁器に白抜き文様を表現する技法です。
素焼きした器面に濃く磨った上等の墨で白く抜きたい文様を描き、
その上に呉須で濃染を行うと、
膠質を含む墨は給水性がない為に呉須を弾きます。
これを空焼きすると墨の部分が焼き抜けて白い文様となります。
その後に透明釉を施して本焼き焼成します。
この技法は盛期鍋島の地紋に広く使用されていますが、
施釉前に一度空焼きする工程が入る為に大変手間の掛かる手法といえます。

絵文様の解説

 蛇籠は竹を主な材料として円筒形の籠を編み、
内部に石材を充填して河川工事等に使用した事に始まります。
設備としての完成形が蛇に似た形状で組み上げられる籠である事や、
昔から河川に蛇の伝説が付き物であった事に由来すると考えられています。
竹は屈撓性に富んで入手が容易であった事から、
蛇籠の材料として最も多く使用されました。
比較的広く使用されるようになったのは桃山時代以降であり、
大名が自己領土の保全、開発、領土拡張の為、
治水工事が行われるようになった事によります。
その後、徳川幕府によって全国統一が成され、
河川改修、災害復旧工事が盛んに行われるようになり、
大量の蛇籠が使用されました。