古染付吹墨月兎文皿

¥1,000,000

垂涎の的として抜群の人気を誇る月兎文を題材とした古染付の特別作品です。吹墨は古染付が起源とされ、初期伊万里においても兎を題材に再現されていますが、作品数は圧倒的に古染付吹墨月兎文皿が少ないです。兎は月と共に描かれて不老不死や再生の象徴として古くから中国で愛好されてきました。短冊に記された「玉兎(ぎょくと)」とは、古来中国で月には兎が住むと考えられている伝説に由来する月の別称です。短冊は月を意味し、兎は月を仰ぎ見ている情景である事が窺えます。山口県立萩美術館・浦上記念館に同手の作品が所蔵されており、まさにミュージアムピースの秀逸品です。

在庫あり

時代明時代末期(17世紀前半)
状態完品
兎の下部に制作過程において生じた地貫入があります
虫喰があります
口径21.1cm
高さ3.1cm
底径12.7cm
次第時代箱(桐箱)、アクリル皿立付
類似品『蒐集家 浦上敏朗の眼‐館蔵名品展‐』
中国・朝鮮陶磁篇、山口県立萩美術館・浦上記念館、No132.
商品コード: 180502-1 商品カテゴリー:

説明

古染付

 古染付とは明時代末期の天啓年間(1621~27)を中心に景徳鎮民窯で焼成された染付です。
特に日本向けの作品で遺例も日本に多いです。
新渡りと呼ばれる清時代の染付に対し、古式に属する古渡りの染付との意味合いで、
独特の様式を持つ一群が「古染付」と独立して呼ばれるようになりました。
日本の茶人からの注文品である茶陶と日用品とに大別されており、
茶陶としての古染付は日本人に親しまれた陶胎の厚さに因んでか総体に肉取りが厚いです。
明時代末期頃は日本の茶人が新奇な茶道具を注文焼成させる風潮が盛んであった時期で、
其々に好みの茶道具が発注されました。
古染付の多くは素地と釉薬の収縮率の相違から釉薬が剥落して胎土を露しています。
まるで虫が喰ったように見えるその様子からこの現象を「虫喰」と呼びます。
口縁や角部等の釉薬が薄く掛かった所に虫喰が多く見られるのも特徴の一つです。
通常の焼物としては欠点対象にさえ成り得るものですが、
茶人はここに自然の雅味を見出して喜び、粗笨な味わいを美的効果として評価しました。

明年表

吹墨

 吹墨とは呉須を霧吹き状に吹き掛ける装飾技法です。
線書きや濃みではできない濃淡やグラデーションを表現する事ができます。
明時代末期の古染付が起源とされ、
初期伊万里においても影響を色濃く受けて再現されました。

絵文様の解説

 月に兎が住むという伝説は仏教説話ですが、月の餅つき伝説は日本独自のものです。
波兎は琵琶湖の竹生島をモチーフにしているとされ、
謡曲『竹生島』の「月海上に浮かんでは兎も波を走るか面白の浦の気色や」に因みますが、
鰐鮫を欺いて海を渡ろうとした因幡の白兎のイメージも投影されていると考えられます。
宋への留学を終えて帰路についた大応国師の船が嵐に遭遇した際に白兎が波上を疾駆して、
水路を開き窮地を脱したという説話も知られており、波兎との関係が注目されています。
又、波兎は火伏せの神としても知られており、火を扱う陶工だけでなく、
当時の人々の火伏せの神への信仰心も強い背景となっています。
月と共に描かれて不老不死や再生の象徴として古くから中国でも愛好されてきました。
初期伊万里においても明時代末期の古染付に類似する作品が確認されています。
構図もほぼ同じで月兎文様が描かれている事から古染付の影響と考えられています。
古染付に見られる兎は耳が短く、
初期伊万里においては耳が長いといった点も特徴の一つです。